「創業融資は実績がないと無理」と思っていませんか。公庫の創業融資は、実績の代わりに“準備の質”を見る融資です。審査で実際に見られるポイントを、支援の現場の目線で解説します。
かつて「新創業融資制度」と呼ばれていた公庫の創業融資は、制度改正を経て現在は「新規開業資金」に一本化されています。無担保・無保証人で利用でき、創業前〜創業後おおむね7年以内の方が対象です。
大きな変化は、旧制度にあった「自己資金要件(創業資金総額の10分の1以上)」が形式上は撤廃されたこと。ただし後述のとおり、審査の実務では自己資金はいまも重要な評価項目です。制度の金利・限度額などの最新条件は、日本政策金融公庫の公式サイトで必ず確認してください。
審査担当者は通帳の履歴を見ます。見ているのは残高だけではなく、毎月コツコツ貯めてきた形跡です。直前に親族から振り込まれた「見せ金」はすぐに分かり、評価されません。逆に、少額でも計画的に貯めた自己資金は「この人は計画を実行できる」という何よりの証拠になります。
開業する事業に関連する勤務経験・実務経験は、実績のない創業期における最大の信用材料です。たとえば飲食店で5年働いた人のカフェ開業と、未経験者のカフェ開業では、同じ計画書でも説得力がまったく違います。職務経歴は計画書に具体的に書き込みましょう。
売上予測が「月100万円くらいいけると思います」では審査になりません。客単価 × 席数 × 回転率 × 営業日数のように、数字を分解して積み上げること。そして経費・返済額を引いた後に、生活費を含めて回るのかまで示すことが重要です。この「数字の根拠づくり」は事業計画書の作成サポートで最も時間をかける部分です。
公庫も個人信用情報を確認します。クレジットカードやローンの延滞はもちろん、見落としがちなのがスマートフォン端末の分割払いの延滞。税金・公共料金の未納も心証を悪くします。心当たりがある場合は、申込前に状況を整理しておきましょう。
書類が立派でも、面談で内容を説明できなければ「本人が作っていない」と見なされます。数字の根拠、競合との違い、売上が計画を下回ったときの対応——すべて自分の言葉で話せる状態にしておくこと。詳しくは融資面談で聞かれること・準備すべきことにまとめています。
事業計画書・資金繰り表の作成から面談対策まで、調達の準備を一気通貫で伴走します。売上0円で1,500万円調達の実例あり。